【川原健一の疑問】風邪を引いて抗生剤を飲むのは効かないらしい
こんにちは。川原健一です。
先日風邪を引いてしまったのですが、病院に行く時間がなかったため市販の薬でなんとか乗り越えました。
みなさんは風邪を引いたらどのようなことをしますか?
かかりつけの病院で抗生剤をもらって、安静にするという方がいらっしゃるかもしれません。
しかし実は風邪の治療に抗生剤というのは、医学的根拠がないそうです。
【抗生剤=万能薬ではない】
2020年1月3日に掲載された朝日新聞によると
「国内の外来診療で出された抗菌薬(抗生物質)の6割近くが、効果がない風邪などウイルス性の感染症への不必要な処方だったことが、自治医科大などの研究チームの調査でわかった。」
「抗菌薬が必要とされる疾患に処方されたのは全体の8%にとどまった。処方された56%は風邪や急性気管支炎など通常はウイルスが原因の病気だった。」
つまり、抗生物質の効かないウイルス性風邪やインフルエンザに抗生物質を処方している医者が多いということがわかったそうです。
「抗生物質とは、細菌などの微生物の成長を阻止する物質のことで、肺炎や化膿したときなどの細菌感染症に効果があります。」
このように細菌の成長を阻止する抗生物質は、歴史的にも画期的だったため、「抗生物質はどんな感染症にも効果がある」と考えられるようになってきました。
そのため、かつては多くの医療従事者によって、抗生剤が処方されており、今もなお抗生剤を処方する医療従事者もいるという結果になっているのでしょう。
【多くの患者側も勘違いしている?】
さらにこの考えは医者の間だけではなく、私たち患者側も「風邪の治療=抗生物質」と広まってしまったと言えます。
国立国際医療研究センターの調査によると、回答者3192人中、43.8%の方が「抗生物質(抗菌薬)は風邪をひいたときに効果がある」と回答。
また、33.3%が「風邪のときに抗生物質を処方してくれるのは良い医師」と思っているといいます。
【抗生剤を飲むとかえって病気になりやすい】
蓋をあけると、風邪の多くは細菌性ではなく、ウイルス性。
そのため、抗生剤を飲むのは効果がないだけでなく、かえって耐性菌が生き残ってしまうきっかけになり、病気をおこしてしまうことがあるのだそうです……。
子どもの体内で耐性菌を増やさないべく、あえて抗生剤を出さないようにしている小児科の先生もいらっしゃります。
【まとめ】
抗生剤は風邪に効かないというのは驚きました。
もしかかりつけのお医者さんが風邪のために抗生剤を出さなくなっても、「抗生剤が効かないから」と考えることが大事かもしれません。
もちろん先生のお話しを聞いてみるのも重要ですね。